今回は、腰椎椎間板ヘルニアの原因と、当院での評価・治療の考え方についてご紹介します。
背骨の骨と骨の間にあるクッションのような組織に繰り返し負荷がかかることで、内部の組織が外側にはみ出し、神経を圧迫してしまう状態が椎間板ヘルニアです。腰の痛みだけでなく、お尻の違和感、脚のしびれ、前屈時の悪化、座っているときの不快感、咳やくしゃみで響くような痛みなど、さまざまな症状として現れます。
長時間座り続けること、中腰での作業の繰り返し、前かがみの姿勢、体幹の機能低下、股関節や骨盤の柔軟性の低下といった生活習慣の積み重ねが、発症の背景にあることが多く、腰そのものだけでなく、全身の動作パターンが影響していることも少なくありません。
評価にあたっては、画像診断だけに頼るのではなく、マッケンジー法の考え方をもとに、動作によって症状がどう変化するか、下肢の症状が広がるのか腰部に集約されていくのか、繰り返しの動作にどう反応するかなどを総合的に確認しています。例えば前屈で症状が強まり、後屈することで症状が腰部に集まってくるようであれば、椎間板が関わっている可能性が高いと考えられます。
治療においては、必ずしも安静が最善とは限りません。評価の結果に応じて、適切な方向への運動を取り入れることが重要です。代表的なものとしては、うつ伏せから肘立て、段階的に体を反らしていくマッケンジー体操がありますが、症状の現れ方によって適した運動のタイプは人それぞれ異なるため、自己判断で行うのではなく、専門的な評価に基づいて進めていくことが大切です。