これまで下を向いたときの首の痛みについてご紹介してきましたが、今回は反対に、天井を見上げたときや美容院でシャンプーをしてもらうときなどに生じる首の痛みについてご紹介します。
首の骨同士をつなぐ頸椎椎間関節は、頭の重さを支えながら首を柔軟に動かすための重要な構造です。上を向く動作では、この関節が圧迫される方向に力が加わるため、関節に炎症などが起きていると痛みとして現れやすくなります。
当院で大切にしているのは、関節そのものの問題だけを見るのではなく、「なぜその関節に過度な負担が集中してしまったのか」という根本的な部分を見極めることです。デスクワークやスマートフォンの使用による猫背姿勢が続くと、本来動くべき胸椎や肩甲骨の可動性が低下し、分散されるはずだった動きが首の関節に集中してしまいます。加えて、首の深層筋の硬さが可動域を制限し、痛みを繰り返す原因になります。
評価では、可動域検査や痛みが出る方向の確認、神経学的な検査に加えて、超音波検査によって筋肉や腱の状態を確認します。さらに胸椎の動きや肩甲骨の動作、姿勢、深層筋の機能まで総合的に検査し、負担が集中してしまった本当の原因を探っていきます。
治療にあたっては、まず手技によって関節の動きを整え、そのうえで鍼治療によって深層筋の緊張を和らげ、最終的には運動療法によって正しい体の使い方を定着させることで、再発しにくい状態を目指しています。