今回は、肩に強い痛みを引き起こすことがある「石灰沈着性腱板炎」についてご紹介します。
この疾患は、肩の腱板にカルシウムの結晶が沈着し、その周囲に炎症が生じる状態です。急性期には、突然の激しい痛みや夜間の痛み、腕を上げられないほどの症状が現れることがあります。ここで重要なのは、石灰が存在していることと痛みの強さは必ずしも比例しないという点で、炎症の状態や可動性まで含めた総合的な評価が欠かせません。
評価にあたっては、症状が出始めた時期、痛みの部位と強さ、夜間痛の有無、肩関節の可動域、筋力、痛みが誘発される動作などを確認していきます。当院では超音波検査を活用し、腱板やその周辺組織の状態、石灰の位置、組織の動的な変化までを観察します。必要に応じて、医療機関での画像診断をおすすめすることもあります。
炎症や痛みが強い時期には無理に動かすことを避け、症状に応じて慎重に関節を動かしていきます。症状が落ち着いてくるにつれて、可動域を広げる訓練、肩甲骨まわりの運動、腱板を強化する運動へと段階的に進めていきます。当院では、超音波検査と動作分析に基づいて、鍼灸、手技療法、運動療法を組み合わせながら、痛みをコントロールしつつ機能の回復を目指しています。
症状の強さに応じて刺激の量を調整することが重要で、時期によっては過度なストレッチがかえって逆効果になる場合もありますので、自己判断せず専門家にご相談いただくことをおすすめします。