今回は、肩の可動域が低下してしまう「拘縮肩」についてご紹介します。

拘縮肩は、単なる筋肉の硬さではなく、より複雑な状態です。筋肉が過度に緊張していることに加え、関節を包む組織自体が線維化して癒着してしまうことが同時に起きている場合があり、これらが重なり合って動きの制限を引き起こします。

治療の効果を高めるためには、まず「なぜ動かないのか」を正確に見極めることが欠かせません。当院では、自分の力で動かせる範囲(能動的可動域)と、他者が動かしたときに動く範囲(受動的可動域)、肩甲骨の動き、腱板の張り具合、痛みの出る場所などを詳しく検査します。特に、「自分では動かせるが制限がある」のか「そもそも動かせない」のかを見極めることで、筋肉の問題なのか、関節の構造的な問題なのかを判断していきます。

筋肉の過緊張が主な原因である場合、表面からの一般的なマッサージでは深部の筋肉まで十分にアプローチできないことが多いため、鍼治療を活用しています。鍼で深部の筋肉に刺激を加えたあと、あらためて可動域を確認し、動きが改善した状態で運動療法を行っていきます。

理学療法で培った評価力と鍼灸の技術を組み合わせることで、お一人おひとりの状態に合わせた施術を提供しています。