今回は、鍼灸における「効果判定」の大切さについて、少し専門的な視点からお話ししたいと思います。

私はもともと理学療法士としてキャリアを積んできましたが、その分野では「施術の前後で何が変わったのか」を厳密に確認する文化が根づいています。一つの介入に対して一つの変化を確認するという原則が、日常的に実践されているのです。

一方で、鍼灸の現場では、効果判定が十分に行われていないケースも少なくないと感じています。施術前に目標を設定し、施術後に同じ指標で検証するという習慣が、まだ十分に確立されていない場合があるのです。

私自身は、理学療法で培ってきた「評価→施術→再評価」というアプローチを、鍼灸にも取り入れていきたいと考えています。「鍼をしたから良くなった」という漠然とした判断ではなく、「何を目指して、どのように変化したのか」を明確に記録していくことが、技術の向上につながると考えています。