今回は、いわゆる「五十肩」として知られる肩関節周囲炎についてご紹介します。
肩関節周囲炎は、単なる使いすぎによる炎症ではなく、はっきりとしたケガのきっかけがないまま、肩関節周囲に炎症反応が生じる疾患です。加齢による組織の変化、日常的な小さな負担の積み重ね、組織の修復力の低下といった複数の要因が重なり合うことで発症し、炎症性の物質が放出されることで、安静時や夜間にも強い痛みが生じることがあります。
当院では、理学療法と鍼治療を組み合わせたアプローチを重視しています。炎症が強い時期には運動療法自体が難しいことが多いため、まず鍼による刺激で局所の血流や体が本来持っている痛みを抑える仕組みを活性化させ、痛みを軽減したうえで、段階的に運動療法へと移行していく治療戦略をとっています。
鍼治療は理学療法の代わりになるものではなく、痛みをコントロールし、体を動かしやすい状態に整えるための手段として位置づけています。この二つを組み合わせることで、治療効果を最大限に高めることができると考えています。