今回は、そもそも肩の痛みがどのようにして生じるのかについて、少し掘り下げてご紹介します。

肩の痛みは、単なる筋肉の硬さや骨のズレによって生じているわけではありません。実際には、肩関節周囲にあるさまざまな組織(腱板や腱、滑液包など)に圧迫や引っ張りの負荷がかかり、その負荷が許容量を超えたときに、神経がそれを「危険信号」として脳に伝えることで、痛みとして感じられるのです。

興味深いのは、画像検査で特に異常が見つからなくても強い痛みを感じる方がいる一方で、組織に損傷が見られても痛みをまったく感じない方もいるという点です。痛みの強さと実際の組織の状態は、必ずしも一致しないのです。

また、肩そのもの以外に原因があるケースも少なくありません。胸椎や胸郭の動きが低下すると、肩甲骨の動き方が変わってしまい、その結果として肩関節に過剰な負担が集中してしまうことがあります。さらに、睡眠不足やストレス、急な運動量の増加なども、痛みの感じやすさに影響を与えることが分かっています。

大切なのは、「痛みが出ている部分は、いわば被害者にすぎない」という視点を持ち、本当の原因がどこにあるのかを見極めることです。当院でも、この視点を大切にしながら評価・施術を行っています。